コテバニRTったーより:欲しがる兎その1



 顔を赤らめ苦しそうにバーナビーが唸る。
 孔雀石色した瞳からは幾重も涙が零れ落ちシーツに染みを描く。
 額にへばり付いてしまったバーナビーの髪を梳きながら虎徹はその場に口づけた。
 普段のバーナビーとは真逆の弱々しい気配に潤んでしまった目。
 声を出すことすら辛そうで虎徹は胸を痛めた。

 ジェイクとの一戦を終え、バーナビーの中で一区切りがついた。
 もちろん全てが終わった訳ではない。まだ未解決の部分はあるけれど、目的を達成出来たことは得難い事実だ。
 今までのバーナビーの行動が実を結んだのだから。しかし今まで張り詰めていた気持ちがここにきて一気に緩んだのだろう。

 怪我も無事に完治し、医者のお墨付きを貰ったその足で虎徹とバーナビーの二人はバーナビー宅へと帰った。
 今まで怪我のせいで持て余していた熱を昇華するために。
 もっともバーナビーが発熱してしまい叶わなかったが。

 ベットの中で苦しそうに唸るバーナビーは謝罪の言葉を口にする。
 けれど喉も炎症を起こしているらしく音は掠れてしまい上手く発言出来ない。
 眉間に皺を寄せたバーナビーを見て虎徹は大丈夫だから気にするなと優しく話しかけた。
 更に熱のせいで寂しがるバーナビーのために優しく囁くようにゆったりとした旋律の歌を紡ぎ始めた。
 傍に居るいるぞ、と分かるように。

 それから暫くしてバーナビーが目を覚ます。
 熱もだいぶ下がったようで呼吸も楽になったようだ。
 ちょっと待ってろよ、と話しかけてから虎徹はキッチンからバニラアイスとスプーンを持ってきてバーナビーに見せた。
 ほんの少し溶けかけたバニラアイスを前にバーナビーはきょとりとしたままだった。

 まだ熱はあるみてーだけど食欲はないだろう? こういうときはバニラアイス食べるといいんだ。喉にも優しいしな。
 あぁでももうちょっと溶かしてから食べような、と虎徹は言う。
 さらに話しながらバーナビーの体に負担がかからないよう起こし、後ろから抱きしめるような形で己にもたれかからせた。

 バニラアイスをスプーンですくいとり、バーナビーに食べさせる。
 今までこんな風に甘やかされることが無かった彼はいたく気に入ったようでもっとと何度も虎徹にせがむ。
 虎徹は燻っていた熱をすっかり忘れ、ただバーナビーを甘やかすことだけに専念した。
 たまにはこういうのも悪くないと思いながら。


     〜 Fin 〜

【 初出:2011/06/28−TwitterLogより 】
『24時間以内に10RTされたら虎徹×欲しがるバーナビーをかきましょう』にて。