Act-04



 ほんの少しだけ早く目覚めた翌朝。
 こっそりとベットから抜け出た虎徹はシャワーを浴び体をすっきりとさせる。
 もちろんそのあとバーナビーの体も。

 いつ戻るかわからないから、とバーナビーが持ち歩いてくれていた虎徹の服を着こむ。
 ただいつもと違うのは虎の耳と尻尾がゆらゆらと揺れ動いている。
 鏡に映り込んだ己を見てまぁ大丈夫だろ、と虎徹は言い放った。
 なんとかなると思えばなんとかなるし、元より細かいことを気にする質じゃない。

 そのままバーナビーのキッチンに置いてあるエプロンを付けて朝食を作り始める。
 昨夜は己が思っていた以上にがっついてしまったお詫びも兼ねて。
 少し、ほんの少しだけすねてしまうかもしれない恋人を思い描いて顔がにやけた。

 きっと目が覚めた直後の、ぼんやりとした眼差して今の虎徹を見るときどんな表情をしてくれるだろうか、考えるだけで楽しくなる。
 いつもと同じ姿の、でもほんの少しだけ違う虎徹をの姿を。

 朝食の準備をし終えて、バーナビーが眠るベットの床に座り込む。
 いつ起きてもいいようにわくわくと待ちながら。

 そして一つ悪戯を思いきぺろりと己の唇を舐めた。
 バーナビーから挨拶の言葉が紡がれるよりも早く唇を塞いでしまおう――と。

 きっとあと5分もせずにバーナビーは目が覚めるだろう。
 寝ぼけたままの彼に声をかけて目覚めさせるのはいつも虎徹の役割だから。

「――大好きだぜ? バニーちゃん」

 そう耳元で囁こうと決めて――。


   ―― END ――

【 書いた日:20011/08/22◆ABITIEYシリーズより◆初出:Twitter 】