Gyum

　黒と藍色の混ざり合った闇色の空が時と共に姿を変え始める
　夜の帳は太陽によって捲り上げられ、地平線は白く輝きはじめる
　黄金色に輝き始めた大地からはゆっくりと光り輝く太陽が顔を出す
　空に浮かぶ雲は菫色染め上げられ、空のキャンパスに花を添える
　僅かな時間にしか見ることの出来ない色彩豊かな空を見上げながら
　彼はじんわりと心の奥底に広がる感情を抑えるべく耐えていた

　――悲しいと、寂しいと言わないようにただ一人じっと

　けれどいつしか彼の元に独りの男性が寄り添うように佇むようになる
　節くれた男らしい大きな手が彼の頭を数回軽く叩き、撫でる
　そしてぎゅっと互いの隙間が無くなるほど強く優しく抱きしめるのだ

　独りではない――と伝えるために

　

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